トム・ハンクスの出世作であり、公開当時様々な項目で話題になった「フォレスト・ガンプ」は英語喉的には最高のサンプルである。この映画は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で一躍有名になったロバート・ゼメキス監督の作品だ。
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~トム・ハンクスが再現する南部訛りは英語発話のお手本~
主人公である、知能は劣るが純粋でエネルギッシュな「うすのろフォレスト」を通して50~80年代の古き良き(賛否はあるが)アメリカを描いている。
ケネディ大統領やジョン・レノンとテレビ映像で語り合っているような場面も当時のテクノロジーで表現されていて、注目を浴びた。
ストーリーや背景ももちろん面白いが、とても興味深いのがフォレストを含む登場人物の強烈な「南部訛り」だ。アラバマ州ということでいわゆる「ディープサウス」のクセの強い訛りが丸出しである。
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南部訛りに顕著なシラブルのスリービート
南部訛りと言えば70年代のサザンロック、オールマンブラザーズやレーナードスキナードの、ああいう感じの粘っこい歌い方は結構好きだった。
余談だが、リドリー・スコットの名作「ブラックレイン」はそのキャストの濃厚さもさることながら、マイケル・ダグラスが夕焼けに染まりながらオートバイで疾走するタイトルバックに流れるグレッグ・オールマンのバラード “I'll Be Holding On” は最高にイカしていた。
いつまでたっても洗練されず、南部訛りのグレッグのヴォーカルが、映画本編の男の業や友情や別離などのさまざまなものを見事に表現している。
さて、英語喉方面からも見てみよう。
この南部訛りだが、深い喉発音はもちろんのこと、シラブルの「スリービート」が「物凄く」よくわかる。
「スリービート」は「喉発音」と併せて「英語喉メソッド」の根幹である。
極めてシンプルに説明すると、「喉発音」は日本語が「口発音」=口の中で音響かせるのに対し、英語ネイティブは「喉発音」=喉で音を響かせるのだ。
彼らの喋るサウンドが明らかに違う理由であり、実は日本人でもそれと同じことができるのである。
ただし、喉発音は体得するまでの期間は個人差がある。しかし、スリービート理論は、素直な姿勢で臨めば、ほぼすぐに理解できるので、分厚い「50のメソッド」に気後れする人には、先に「機関銃英語」から入っても良いかも知れない。
※スリービート理解の参考に↓
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ネイティブスピーカーのリズミカルな発話の秘密
「スリービート」は英語ネイティブの発話するシラブル(音節)はすべて子音+母音+子音でワンセットになると言うことだ。
3つの音で構成されるので、日本語の子音+母音というツービートとは根本的に違う。彼らの喋る英語の軽快なリズムはそこから生まれるのだ。
例えばCOPYはCO/PYではない。COP/PYとなるのだ。
TENNISなら元々のスペル通りでTEN/NISだから解りやすいが、COPYも同じで母音は隣の子音と引っ付くのである。実は喉発音でやれば、自然に引っ付く。口発音ではそうならない。
なにせSRIPNGはたったの1シラブルで発音されるのだ。日本人的にはシラブル感が全く違うので、聴き取りにくいし日本人の英語が伝わりにくいのである。詳しくは下記コラムを参考にして頂きたい。
※筆者最多ブックマーク:はてブ週間ランキングTOP獲得の人気コラム
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英語喉メソッドは英語ネイティブがやるやり方そのものをやろうというアプローチであり、「英語喉50のメソッド」に全ての音声現象が説明されている。何度も言うが、このメソッドでやれば、日本人でもネイティブと同じ発音ができるのである。
スリービートにフォーカスした副読本「機関銃英語が聴き取れる」も解りやすいと好評である。
以下のYoutubeで観られる予告編は、映画の中の味わい深いワンシーンだ。回想するフォレストは物凄いスリービートで喋り、弾みまくっている。
ディクテーション(聴き取って書き起こすこと)をしてみたので、音声と比べることで、スリービートのリズムのなんたるかが解ると思う。
極端ではあるが、日本人としては今までスリービートに馴染んでいなかったので、英語のリズムを象徴していると考えてお手本にすればよいのではないだろうか。和訳の字幕が入っているのが残念だが我慢して頂きたい。
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書き下し文
フォレスト:hello. my name's Forrest, Forrest Gump. you want a chocolate?
i could eat about a million and a half of these.
my momma always said, life was like a box of chocolates.
you never know what you're going to get.
those must be comfortable shoes.
i'll bet you could walk all day in shoes like that and not feel a thing.
i wish i had shoes like that.
黒人看護師:my feet hurt.
フォレスト:momma always says there's an awful lot you could tell about a person by their shoes. where they're going. where they've been.
i've worn lots of shoes. i bet if i think about it real hard i could remember my first pair of shoes.
どうだろう、スリービートが感じられただろうか?
映画の中でフォレストは、口を開けっ放しで唄うようにボォンボォンと喋るので、シラブルが捉えやすい。しっかり三つのビートが感じられる。
しかしだ。トム・ハンクス自身はカリフォルニア州出身なのだ。上手に南部訛りを真似ている・・・・というか、やはり喉発音の人は、口発音の人よりモノマネが上手いのだろう。
トム・ハンクスを担当する声優の山寺宏一氏など、本業でもないのに物真似が異常に上手い。彼は完璧な喉発音だ。
ともあれ英語喉実践者が「フォレスト・ガンプ」を観れば、3ビート理論と喉発音にさらなる確信をもたらすことだろう。
英語喉による聴き取りのおかげで、過去に観た洋画が新しい感動を伴って楽しめる。人生の美味しい部分のいくつかを、二度も体験できるようなものである。