或る物書きの英語喉と小説まみれのジャズな日々

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ビートルズ第四の歌い手リンゴ・スターの存在を知らしめた名曲たち【動画URL付】

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ビートルズ画像

 

 Contents

 

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バンド・ドラマーの宿命

 

バンドというものの中ではドラマーは扱う楽器の性格上、あくまで一般的にはボーカルを取ることが少ない。昔はライブでの再現性が重んじられたので、これはドラマーとしての宿命だ。

 

もちろんライブであれ、ドラムスでありながらメイン・ボーカルを取るジェネシスのフィル・コリンズやイーグルスのドン・ヘンリーのようなミュージシャンもいることはいるが、そちらの方が例外だ。

 

ビートルズのリンゴ・スターもボーカルを取ることは少なく、コーラスへの参加も少ないが、それはボーカル技術的なものというよりは、太い声質的なものによるところが多いようだ。

実際決して歌が下手というわけではなく、むしろ表現が巧いし声も良い。

 

ポール・マッカートニー、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスンの3人は声質が非常によく似ていて、ハーモニーがとても美しく協和する。しかしリンゴ・スターの太い声は、良い声ではあるが彼ら3人との馴染み具合はいまいちだ。

 

なので、個性的なコーラスを持つ曲、例えばアルバム『アビイ・ロード』の「キャリー・ザット・ウェイト」などはむしろリンゴの声質が良い仕事をしている。

そんな感じで、ビートルズらしいメロディアスでコーラスを聞かせる曲でしか、リンゴの声は聞けない。

 

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リンゴの味わいあるボーカル

 

そんなリンゴでも、メイン・ボーカルを取ったいくつかの曲は、どれもファンに親しまれる楽曲となっている。

中期の「イエロー・サブマリン」などはリンゴの飄々としたキャラクターならではの、味わい深い雰囲気が醸し出されている。

 

 

また、アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』での「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」 のリンゴの歌は、ポールの曲ではあるがポール自身がリンゴに歌わせたのが大正解といえる、局長にぴったりの素晴らしい仕上がりだ。

作曲者ポール自身のベース・ラインのかっこよさも「サムシング」に比肩するリード・ベースとして名高いパフォーマンスである。

  

  

筆者はリンゴのボーカル曲の中では『アビイ・ロード』に入っているカントリー・フレイバーの「オクトパス・ガーデン」が最もお気に入りである。

これは『ホワイト・アルバム』に入っている「ドント・パス・ミー・バイ」に続いてリンゴ自身が作った曲としての2作目だ。

 

 

ジョンはこの頃、精神的に良い状態ではなくずっとふさぎ込んでいたので参加できていないが、ジョージとポールが曲を積極的に盛り上げているので、ほのぼのしてしまう。とりわけ、リンゴと最も親密であったジョージ・ハリスンが最大限のサポートをしている。

 

カントリー・タッチというだけではない、クオリティの高いリード・ギターやバッキングのテレキャスターの音質を生かしたスリーフィンガーも洒落ている。

 

特にギター・ソロは、曲のタイプは違うが「サムシング」に負けず劣らず鋭いパフォーマンスを見せている。それら以外の曲も含めて、『アビイ・ロード』でのジョージのギター・プレイはどれも過去と吹っ切れたような目覚ましくも鮮やかなプレイだ。

コンポーザーとしての自信が増してきたことの好影響かも知れない。

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解散後のリンゴのヒット曲

 

リンゴ・スターはビートルズ解散後、ソロ・シンガーとしていくつか世界的ヒットを飛ばしている。一番最初のヒットは「想い出のフォトグラフ」であり、筆者も大好きな名曲だ。

  

 

これに次ぐヒットといえばスタンダードをカヴァーした「オンリー・ユー」だろう。まったく原曲とは全く違う解釈のアレンジと歌い方に、当時は斬新だ、さすが元ビートルズだ、ともてはやされた。

  

 

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ビートルズ初期のリンゴのボーカル

 

デビュー・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』ではリンゴ・スターは1曲だけ歌った。オリジナルは黒人女性4人組の「シェレルズ」の歌っていた「ボーイズ」である。

 

これはこれは彼女たちのシングル盤「ウィル・ユー・ラブ・ミー・トゥモロウ」とカップリングされたB面の曲である。渋いところを狙ったものだ。

 

 

余談だがA面の「ウィル・ユー・ラブ・ミー・トゥモロウ」は現代アメリカン・ミュージックの大御所でありビートルズのメンバーも大尊敬していたキャロル・キングが夫のジェリー・ゴフィンと共作した曲である。

 

シェレルズ以外にも色々なアーティストがカヴァーしている。かくいう筆者も若い頃に、バンドのレパートリーとして演ったことがある。

 

スモーキー・ロビンソン等のR&B畑のアーティストだけではなく、英国出身のロック・ギタリスト、ボーカリストのデイブ・メイスンのカヴァーもロック・ファンの間では好まれていた。

 

しかしデイブ・メイスンのバージョンは、今聴くと当然ながら古臭い。一方、キャロル・キングのオリジナルは断然普遍的で、時代が変わっても色褪せない。ビートルズに共通する本物中の本物が持つ凄まじさだ。

キャロル・キングの圧巻のライブ・バージョンをどうぞ。

 

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スピード感あるロックンロールにアレンジ

 

  さて、ビートルズの「ボーイズ」であるが、この曲は典型的なブルース進行であり、シェレルズはファンキーなミディアム・テンポのロック・ナンバーとして歌っていた。

 

これをビートルズは垢抜けさせている。原曲のねちっこいテンポをずっと軽快にしてスピード感を加えた、ビートルズらしいスリリングで爽快なロックンロールに仕上がっている。

 

 

この曲でリンゴ・スターは、ビートルズが全員「歌える」ミュージシャンであることを証明したと言えるだろう。

 

そしてビートルズがこの曲で見せた原曲のコーラス・グループのシェレルズのお株を奪うような、見事なドゥワップ・コーラス・ワークでも彼らの魅力がはちきれんばかりに溢れている。

 

また、改めてジョージ・ハリスンのリード・ギターの渋い巧さがわかる。この時まだ19歳とはとても思えない、燻し銀のクールなフレージングである。

 

こうやってビートルズは着々と前代未聞のビートルズ・ショックという「革命」の準備を進めていたのであった。

 

締めくくりに「ボーイズ」のライブ演奏動画を掲載しておく。これを観れば彼らがライブ・バンドであることがよくわかる。

 

 

※『Please Please Me』フル・プレイリスト

 

 

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