或る物書きの英語喉と小説まみれのジャズな日々

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エリック・クラプトンの悠揚迫らざる渋過ぎるギタープレイを徹底解説

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グラミー賞を実に18回も受賞したギタリストでありシンガー、コンポーザーでもあるエリック・クラプトン。

 

彼は音楽史上に名を残す偉大なギター・プレイヤーである。

 

クラプトンに影響を受けたギタリスト、アーティストは枚挙に暇がない。そして、その巧みかつエモーションを感じる渋いギタープレイに酔いしれたファンは数知れない。

 

クラプトン画像

https://toyokeizai.net/articles/-/244805

ギタリストとしての筆者がスローハンド語源の誤説を喝破

 

1960年代前半、彼が若い時に「ヤードバーズ」というバンドに参加していた。このバンドは後にもジェフ・ベックやジミー・ペイジといういずれも世界3大ギタリストの候補となり得るトップレベルのギタリストを輩出した、インキュベータ的な伝統がある。

 

この時代に彼は「スローハンド」と異名をとるプレイで、音楽ファンを痺れさせた。

 

 

 

※クラプトンがキーマンとなる筆者の読み切りブログ小説!

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スローハンド奏法の語源の二つの誤説を解説

 

この言葉に関して三つの説があるが二つは誤解であると、ギタリストでもある筆者は断言しておく。誤解のひとつめは、指が早過ぎて逆に遅く見えると言うものだ。

 

扇風機のファンのようなイメージなのだろう。気持ちはわかるが、これは完全に間違いであることは後ほどの説明で証明する。

 

二つめの誤解は、ライブで弦が切れた時にクラプトンが弦を交換するのが手が遅からスローハンドと呼ばれたというものだ。このような逸話が、彼のギターの素晴らしさを讃える異名となるはずがない。馬鹿馬鹿しい。

 

おそらくはアンチクラプトン派(クラプトンがギター巧者である上にルックスもカッコ良いので、妬む輩も多かった)の浅知恵による、品性のカケラもない中傷と思われる。

 

ちょっと考えたらバレるデマを流すのは、いつの時代もいる唾棄すべき卑怯者だ。ギターの腕で真っ向勝負できないからこその姑息な蠢動は、臆病者の証明でもある。

 

※ビートルズファンの方に!

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スローハンドが真に意味するところは何か?

 

「スローハンド」のニックネームの本当の所以は、指の動きがゆっくり、あるいは少ないなのに、生きた音が次々と湧いてくる・・・・・これだ。

 

つまり、何もひねりはなく、言葉そのままの意味なのだ。

 

そもそもギター巧者は可能な限り無駄な指の動きをしない。そして、巧すぎる彼のプレイは極限まで無駄を省いた省エネ奏法で、あらゆる意味で出来るだけ指を動かさずに弾く。

 

だからひとつめの誤解である「動きが速過ぎて遅く見える」というのは真逆なのだ。

 

そう、クラプトンの省エネ奏法は徹底している。

その上、彼の場合はチョーキングビブラート、つまりギターの弦を押さえたまま持ち上げて音程を変化させ、さらにビブラートをかけるテクニックやグリッサンド、同じく押さえたまま指を別のフレットに滑らかに移動させてメロディに彩りを添えるテクニックなどに秀でていた。 

 

※ギター繋がりで「箸休め」にどうぞ(笑)

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クラプトンの省エネ奏法の組み立て方

 

例を挙げればギターの5フレットの1弦と2弦を左人差し指で一度に押さえ、薬指に中指を添えて3弦の7フレットを押さえる。3弦を引くと同時に中指と薬指で弦をチョーキング、つまり持ち上げて一音上げてしまう。まずこの1動作で音が2つだ。

 

次に左指は動かず、すでに押さえられている2弦と1弦を順番に弾く。そしてチョークアップしていた薬指を2弦の8フレットにさっと移して、それを弾くやいなや10フレットまでグリッサンド、音を響かせながらスライドするのだ。これでさらに4つの音が続いた。

 

一連の流れでこのフレーズを弾くと、指の動きは薬指がちょっと上がってから少し下がって横にずれる・・・それだけだ、目に見える動きは。しかしメロディは少なくとも6音、もっといえばチョーキングやグリッサンドのニュアンスにより7〜8音ぐらいに感じさせる。

 

他には、1弦と2弦の3フレットを人差し指で押さえて2弦を弾き、そのまま5フレットまでスライドして達した瞬間に1弦を弾き、次の瞬間薬指で2弦の8フレットを押さえて弾き、そのまま10フレットまで移動させてビブラートを与える。

 

この少ない動きだけでも、チョーキングを使わないのにブルージーなフレーズが生まれる。

 

全般的にこのような感じだからこそ、観ているものは不思議な感覚に陥るのだ。こういうアプローチがスローハンド奏法の基本的な組み立て方だ。

 

※こんなギタリストもいます!

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テクニックとセンスのバランスが絶妙

 

ベーシックな巧さとそれらのテクニックを総動員して・・・・静かな指の動きでダイナミックなパッセージを弾きまくる・・・これは痺れる。そこには音楽センスが存在する。単に技術だけの問題ではないのだ。

 

まそのセンスをカタチにするが如く、彼はギターをエモーショナルに泣かせるのだ。それはチョーキングによる表現力の極地だ。

 

有名なビートルズのホワイトアルバムに収録されている、 "While my gutiar gently weeps" に参加した時の彼の素晴らしいサポート、というか主役を食うほどに素晴らしいリードギターのプレイは音楽史上に永遠に残る魅力溢れるギタープレイだ。

 

 

おそらく白人では彼が一番「ギター泣かせ」ではないか? ちなみに黒人で最もギター泣かせは・・・言わずと知れたブルースギターの神様、B.B.キングだと思う。

 

この二人のコラボ・ブルース・アルバムがあるけど、これは最高に渋くて、かつ洗練された大人のブルースアルバムだ。

 

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筆者もナマで目撃したスローハンド奏法の素晴らしさ

 

ともあれ、クラプトンは基本的に無駄な動きがない上に、それらのテクニックを動員するので・・・・演奏を観ている人には指がほんのりしか動いていないにも関わらず、激しくダイナミックなフレーズが流れ出てくるように感じる。

 

筆者も一度だけだが、日本公演でそれを目撃した。

 

見た目と音数や迫力に、とてもギャップがあるのだ。あれを目の当たりにすると、誰でも不思議に思うだろう。だからこそ、スローハンドのニックネームがついたのだ。

 

他の楽器、たとえばドラムで言えば元カシオペアの達人ドラマー神保彰のように、省エネで無駄な動きをしないにも関わらず、ダイナミックでドラマチックなドラミングをする超巧者と通じるものがある。

 

 

この武道館ライブは数あるクラプトンのライブ盤の中で、彼の愛器「ブラッキー」の枯れているのに瑞々しい最高の音色が堪能できる、唯一のアルバムではないだろうか?

 

今や伝説的な、タバコを吸いつつレミマルタンのジンジャーエール割りを呑みながらのレイドバックしたステージは、クラプトンのカッコ良さが最高に醸し出ている。

 

そのクラプトンのスローハンド奏法が堪能できるYoutubeクリップを見つけたので、紹介しておこう。

 

youtu.be

 

 

ともあれ、クラプトンがそうであるように、「達人は無駄な動きをしない」という法則はどのようなジャンルにも、共通して言えることなのかも知れない。

 

ただし、それはあくまで技術面のことであり、エリック・クラプトンの場合はその技術と、深くブルーズに根ざしたフィーリングと、若い頃からライブの現場で鍛えられたセンスが相俟ってこその、卓越した演奏であるのは間違いない。