或る物書きの英語喉と小説まみれのジャズな日々

  英語喉とジャズと小説をこよなく愛し、映画・アニメ・漫画・R&B・70年代ロック・Suchmosなどに眼がない或る物書きが綴る

完全保存版!映画「フィラデルフィア」で体感3ビート喉発音by英語喉

 

映画画像

https://blog.goo.ne.jp/goo0348_2007/e/cf758033a93b5b885bfff11ec54cf941

アメリカ映画「フィラデルフィア」は「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミがメガホンを執った、1993年の素晴らしい映画だ。トム・ハンクスが主演で、もちろん彼の演技は素晴らしいし、アカデミー主演男優賞を取った。 一方で助演デンゼル・ワシントンの仕事は、それ自体が主演級とも言える堂々たるものだったと思う。

 

~二人の名優の台詞まわしに臨場感ある英語を学ぶ~

 

この映画を英語喉を始める以前に、字幕で観たことはある。ところが英語喉で得た聴き取り力を使って字幕無しで観ると、迫力や臨場感が違う。法廷のシーンがメインだが、静かに熱量が増しつつ手に汗握る展開の映画だ。

 

デンゼル・ワシントンもトム・ハンクスも、喉発音とスリービートを理解するのに格好のお手本である。名場面のいくつかがYouTubeにアップされているので、その中から3クリップを取り上げてプラクティスに使う提案をしたい。

 

スリービートに関しては予備知識のない人は、下記コラムでアウトラインをつかめると思うので、まずそちらをお読み頂きたい。

Sponsored Link Advertising  

  

ミラー弁護士夫妻のリズミカルな会話  

さて、最初のクリップは、同性愛に対する強い偏見を持つミラー弁護士(デンゼル・ワシントン)と妻の会話のシーンだ。彼女は旦那とは違って同性愛にも理解があり、さばけた感じの妻の飄々とした対話ぶりがいい。

 

www.youtube.com

 

クリップの後半に出てくる old-fashioned(ディクテーションの赤字部分などは、ツービート読みとスリービートの違いがモロに出ている。口発音と喉発音の違いという風に言い換えてもよいだろう。

 

口発音で「オールドファッションド」と読む時、日本人的にシラブル分割をすると以下のようになる。

 

  オー・ル・ド・ファッ・ション・ド

 

6シラブルになるだろう。

ところが実際英語では以下のようになる。

 

  old・fash・shioned

 

最後のeは音にはならない。よって3シラブルだ。

 

口発音だとは倍かけて発音し、また聴くときも倍ほどのシラブル数で聴き取ろうとするからせわしなくて仕方ない。だから「機関銃」のように早口に聴こえてしまうのだ。

 

これだけシラブル数が違うので、もうリズムが全然別物になるということだ。

Sponsored Link Advertising  

 

スリービートを意識して発音してみよう

クリップの中の会話の全文は、以下の通り。

 

you have a problem with gays, Joe.

uh, not especially.

yes, you do.

how many gays do you know?

how many d'you know?

hahaha, lots!

like who?

karen berman, my aunt theresa, cousin tommy who lives in rochester, eddie meyers from the office, uhmm, stanley, the guy who's putting in our kitchen cabinets.

aunt theresa is gay? that beautiful, sensuous, voluptuous woman is a lesbian? since when?

probably since she was born.

oh, man. uh, well, hey, i admit it, okay? I'm prejudiced. i don't like homosexuals. there, you got me.

all right.

i mean, the way these guys do that, thing, don't they get confused? oh, i don't know. is that yours? is that mine? hahahaha, you know, i don't want to be in bed with anybody who's stronger than me, or who has more hair on their chest. now, you can call me old-fashioned, you can call me conservative. just call me a man. umm, besides, i think you have to be a man to understand how, really disgusting that whole idea is anyway.

 

繰り返すが、スリービートを感じなければ、つまり、ツービート=カタカナのようなシラブルの感じ方をすると、早過ぎて何を発音しているかわからないだろう。すべてのシラブル数の2倍から3倍で感じようとするからだ。

Sponsored Link Advertising  

   

3ビートと2ビートの根本的な違いを知ろう

子音+母音+子音でワンセットになることを理解し、ボォンボォンというリズムを感じれば音は自然に入ってくる。どんどん隣のシラブルと音が繋がっていくが、ちゃんとそれが別々の音だということも自然とわかるのである。

 

ちなみに日本語は子音+母音のツービートだ。ネイティブがよく表現している「タカタカタカタカ」というサウンド感であり、英語の「ボォンボォン」とは良し悪しではなく異質だ。

 

 

さて続いてのクリップも法廷シーンで、トム・ハンクスの非常に味わい深い演技だ。ミラー弁護士の質問に答えて、法律のどういうところを愛しているかをしみじみ答える。

 

静かな中にとても生き生きとした・・・死相を湛える表情との対比が素晴らしい演技だ。

 

www.youtube.com

Sponsored Link Advertising  

  

名優たちの優れた演技力

余談だが、こういうのを観るとトム・ハンクスは本当に上手い役者だなと感銘を受ける。そして相手役の、デンゼル・ワシントンの表情の演技も素晴らしい。

 

また、アンドリュー弁護士を不当解雇した敵側のベテラン俳優達も、アンドリューの言葉に「良心の呵責」をちらりと感じる無言の演技・・・・・これもなかなか渋い。

 

それはさておき、これらの映像を観ても分かるように、ネイティブが喋るときに、口の大きい動きはない。

 

V音にせよTH音にせよさりげなく発音されている。唇や舌をとりたてて噛む感じがないのが分かるだろう。

 

実際に、歯が下唇や舌に一瞬触れているだけだが、その一瞬に英語喉メソッドでいう「ブルブル凧」(詳細は書籍『英語喉50のメソッド』を参照)というブルブル震わせる動作がなされて初めて、VやTHの弁別的要素が確定するのだ。 

 

クリップ中の会話全文は、以下の通りだ。

 

all right. then, are you a good lawyer, Andrew?

i'm an excellent lawyer.

what makes you an excellent lawyer?

i love the law. i know the law. i excel at practicing.

what do you love about the law, Andrew?

i, many things. uh, what i love the most about the law?

yes.

is that every now and again, not often, but occasionally, you get to be a part of justice being done. that really is quite a thrill when that happens.

thank you, Andrew.

 

トム・ハンクスもデンゼル・ワシントンも、変に芝居がかった大げさな喋り方ではなく、非常にリアルな喋り方なので、とても参考になると思う。

Sponsored Link Advertising  

  

ミラー弁護士の迫真の弁明

最後に映画の中で最も印象に残ったシーンを紹介しよう。

 

トム・ハンムスが演じるベケット弁護士を不当に解雇した側の証人に対する尋問中に、激昂したワシントン演ずるところのミラー弁護士を裁判長が近くに呼び寄せた後のシーンだ。

 

裁判長はミラー弁護士に真意を尋ね、それに彼が長いモノローグで答える。

 

説得力のあるプレゼンテーションのような、力強く、かといって勢いだけではないと抑揚をつけた弁明を展開するのだ。

 

ミラー弁護士は、その裁判の本質を雇用問題ではなく「ゲイ」と「エイズ」への差別だと喝破する、まさにストーリーの転換点と言える、ある種感動的な弁明だと言えるだろう。燻し銀のように渋い、彼のセリフ回しに魅せられた。

 

Sponsored Link Advertising  

   

デンゼル・ワシントンのリズム感こそ3ビート

ミラー弁護士の弁明部分(0:35~1:40 )のディクテーション(聴き取りの書き起こし)は以下の通り。

 

your honor.

everybody in this courtroom is thinking about sexual orientation. You know, sexual preference.

 

whatever you want to call it, who does what to whom and how they do it.

they're looking at Andrew Beckett. They're thinking about it.

 

they're looking at Mr.Wheeler, Miss Conine, even you, your honor.

they're wondering about it. (laughing) trust me, i know they're looking at me and thinking about it.

 

so let's get it out in the open. let's get it out of the closet.

because this case is not just about AIDS, is it?

so let's talk about what this case is really all about....

 

the general public's hatred, our loathing...our fear of homosexuals...and how that climate of hatred and fear...translated into the firing of this particular homosexual...my client, Andrew Beckett.

 

実は8年前(英語喉実践9ヶ月の頃)デンゼル・ワシントンのこのくだりがあまりにもカッコ良かったので、 Impression(物真似)を録音してアップロードしたものがある。

 

ちなみにImpression の通常の意味は「感銘」「印象」だが、ちょくちょくネイティブ友人たちが「物真似」の意味でスラング的に使っていた。

 

audioboom.com

 

今聴くとかなり粗いが、デンゼル・ワシントンに近づきたい一念は伝わるかも知れない。

Sponsored Link Advertising  

  

英語ネイティブ発音の核は喉発音とスリービート

 

ともあれ、スリービートを感じた瞬間から、面白いほど英語が耳に入ってくる驚きを、ぜひ多くの人に体感してもらいたいと願っている。英語喉でやれば、日本人でもネイティブ発音ができるのだから。

 

 

副読本「機関銃英語が聴き取れる」はスリービートにフォーカスして読みやすい。こちらだけでも聴き取りが向上したという体験が多い。

 

 

 

このブログのカテゴリーの中のABOUT EIGONODOで色々と英語喉のことを書いているので、参考にして頂ければ幸いだ。


近日発刊予定の筆者のKindle本、小説「喉の旅」は英語喉の誕生秘話物語だ。

 

 

小説を読みながら、英語喉のアウトラインが理解できるような構成にしてあるので、ぜひ一読して頂きたい。

 

最後に余談だが、主題歌を担当したブルース・スプリングスティーンは歌曲賞に輝いた。なおかつ、グラミー賞の最優秀楽曲賞も受賞した。 

 

 

 

彼の「ストリート・オブ・フィラデルフィア」が、早朝のフィラデルフィアの街の風情を描くオープニングで流れる。

 

溢れる熱量を強く抑えて歌う彼の重く切なく、しわがれて淡々とした歌声には、そこから展開される、僅かな希望を信じて闘う孤独な心情と友情が織込められている。