或る物書きの英語喉と小説まみれのジャズな日々

  英語喉とジャズと小説をこよなく愛し、映画・アニメ・漫画・R&B・70年代ロック・Suchmosなどに眼がない或る物書きが綴る

「日本沈没 第二部」小松左京の巨大ベストセラー33星霜を超えて完結

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小松左京・谷甲州共著による「日本沈没 第二部」は、超分厚い本でしかもページが二段組みだ。二度目だが、文句なしに面白かった。「日本沈没」発表から33年越しで完成したいわくつきの作品だ。数名の、小松左京を慕う作家たちで組まれたプロジェクトとして制作されたものである。

 

~これは小松左京を敬愛する作家たちのプロジェクトだった~

 

私は面白そうな小説は、ジャンルを選り好みせず手当り次第読んでいる。物書きになる前との読み方と違うところは昔は単なる客、今は客であり尚かつ、市場調査をしているような感じだ。

 

曲がりなりにも物を書くことを生業をする筆者にとって、物語や文章の名人、達人による面白い小説はあらゆる意味で勉強になるし、お手本とヒントの宝庫だ。

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この「日本沈没 第二部」のプロジェクトは、数名がかりで部門分けをして、プロたちが練り上げたものを、谷甲州が形として仕上げたのだ。

 

第一部は言わずと知れた超ベストセラーであり、ラジオドラマ化もされ、映画化は二度もされた、私も特に感銘を受けた小説だ。

 

意外と誤解されている節があるのだが、小説の方は単なるSFパニック小説ではなく、「人間」「日本人」「政治」「国際社会」の根っこを描いた素晴らしい文学だと思う。 

 

映画化は、一作めの藤岡弘主演の分は原作のイメージを損なわない名作だ。円谷プロの肝入りの特撮は、最近のCGとは違う分厚い迫力が本当に半端なかった。

 

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但しリメイク版の方(当時スマップの草薙くん主演の分)は・・・はっきり言って全然ダメな出来だったと個人的には思う。だから、同時期にタイアップ的に発表されたこの第二部には、当時食指が動かず読まなかったのだ。

 

ところが、時を経ていざ読んでみると・・・まさに圧巻、大ベストセラーの第二部の名に恥じない見事なまでの完結編だった。

 

根底に脈打つ思想には全面賛成ではないが、現代世界の中の日本人というものを嫌が上にも見つめざるを得ない気持ちにさせられる。

 

おそらくこれを読んだ多くの日本人が、自分が日本人であることを強烈に意識、自覚したのではないかと思う。

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日本人のアイデンティティを突き動かす筆致は鮮やか

 

何というか、日本人のDNAにモロに訴えかけてくるくだりが散りばめられていて、やはりこういう読む者の本質に揺さぶりをかける小説こそが真の名作だと思う。

 

余談だが、もしこの大作の中にひとつの要素として英語喉を加えたとしたら、また別のストーリーが描けるに違いない。

 

などと想像するのも楽しい。何故なら英語喉を使えば、言葉の壁が崩しやすいからだ。

 

それはともかく、「日本沈没」を読んで感銘を受け、この第二部を未読の人はもちろんのこと、小説であれ映画、ラジオドラマであれ、第一部を知っている人には心からお勧めできる作品だ。