或る物書きの英語喉と小説まみれのジャズな日々

  英語喉とジャズと小説をこよなく愛し、映画・アニメ・漫画・R&B・70年代ロック・Suchmosなどに眼がない或る物書きが綴る

現代ジャズ界屈指のソロ・ギター達人タック・アンドレスの奇跡の名演奏

 

タック・アンドレスは現代屈指のジャズ・ソロギタリストであり、夫人であるパティ(ヴォーカル)とふたりでジャズデュオ=タック&パティとして活動している。彼らは日本が好きで、何度も日本公演をおこなった。そんな彼の神業プレイを紹介したい。
 

  

ジャズ・ソロギターの神ジョー・パスさえも超えたギタリスト

 

タック&パティとしてのデュオの時は、パティを引き立てることに専念している彼だが、ギタリストとしてどれぐらい凄いかはここで紹介する、究極のソロ演奏でわかるであろう。サンタナの名曲「哀愁のヨーロッパ」のソロギターアレンジだ。

 

興味があまりない人も、騙されたと思って視聴して頂きたい。これこそが神業だ。ジャズフェスに集う耳の肥えたオーディエンス全員を唸らせている。誤解のないように念のため言っておくが、この動画は彼が「ひとり」で生演奏をしている様子である。

 

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ちなみに夫婦での演奏も紹介しておこう。もはやどこを切っても「愛」しか出てこない。

 

 

筆者も過去に2回ライブを、大阪ブルーノート(現ビルボード)でかぶりつきで観た。恥ずかしながら一度は感極まって、握手もしてもらった。

 

完全なフィンガーピッキングスタイルで、10本の指を駆使して一人で打楽器、ベース、鍵盤、そしてメロディパートをすべてこなすのだ。

 

しかもソロパートはアドリブ=インプロヴィゼーションでその場限りのソロを、伴奏もしながらやってしまう鬼神も怯むクールなギタリストだ。

 

筆者が尊敬するギタリストはジャンルを跨いで何人かいるが、自らもジャズ・ソロギターを少々嗜むものとして最も「憧れる」ギタリストでもある。

 

そんな彼が自らの努力と研究の大いなる成果を、説明をしながらレッスン形式にて惜しげもなく曝け出す、夢のようなアメリカ版の教則DVDを随分前に購入した。

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生まれついてのアメリカ人である彼が、生の英語で喋りまくって説明していて、無論購入した当時は英語学習を始める前でもあり全く分からず、折角買ったのだが結局断念してしまった。

 

実はその二ヶ月後、訳あって英語学習を独学で始め、やがて「英語喉」というメソッドに出会うのであるが、ひょっとしたらその教則DVDの一件が誘因のひとつだったのかも知れないなと、振り返ると思う。

 

英語喉を始め出してからその教則DVDを見直したら、これが全部何を言っているのかが分かるのだ。細かいニュアンスまで、辞書も一切引かず全て分った。英語喉とジャズには、少なくとも筆者に関しては深い結びつきがある・・・・・と思う。

 

話は戻って、彼はタック&パティとしても多くの素晴らしいアルバムをリリースしている。初期の「ティアーズ・オブ・ジョイ」はシンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」のカバーでコアなファンの心をつかんだが、他のオリジナル曲を奏でる二人のパフォーマンスは完璧だ。

 

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中期の「チョコレート・モーメント」(なんて甘美なタイトルだ)は大人のおしゃれで抑制の効いた、上質なジャズボーカルと神業バッキングギターの宝庫となっている秀逸なアルバムである。

  

 

ソロアルバムも出していて、これが・・・実に素晴らし過ぎる出来栄えだ。

 

ギター1本でアルバムを通して、飽きさせずに聴かせられる数少ないギタリストのひとりだ。かつてのジャズ・ソロギターの第一人者であるジョー・パスを超えた瞬間を垣間見た気がしたアルバムだ。

  

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他にもジャズではマーティン・タイラー、ポップス寄りではトミー・エマニュアル、ローレンス・ジューバーや、環境音楽寄りのマイケル・ヘッジス等々、ソロギターの名手と呼ばれるプレイヤーはたくさんいるが、トータル的なクオリティではやはりタック・アンドレスがピカイチだと思う。

 

日本人ソロ・ギタリスト住出勝則さんは、かつてのオーストラリアでの単身修行時代に現地でタック&パティのツアーで彼らの音楽に直に触れ、ギタリストとしてのタックに衝撃を受けた。

 

後日、自分のデモテープをアメリカのタックにダメ元で送ったのだ。なんとタックは面識すらなかった住出さんのテープをしっかりと聴いてくれており、丁寧で適切なアドバイスとともに返事をくれた。

 

それだけでなく、手紙の末尾には、音楽と向き合う中で悩み戸惑うことがあったら、力になれるかも知れないから、いつでも訪れてくれればいい、などと書かれてあったそうだ。

 

住出さんは感激し、色々なことをやりくりして、タックに会うためにアメリカへと飛んだ。そして二人の交流は始まり現在も続いているようだ。素晴らしい人柄も、あの愛が溢れる音楽、ギタープレイの源泉となっているのだろう。

 

タック&パティは根強いファンが日本にも多く、今でも現役で演奏活動をしているので、三度目のライブ鑑賞を筆者も夢見ている。