第45代アメリカ合衆国大統領。ドナルド・ジョン・トランプ(Donald John Trump)は、CNNニュースのポッドキャストなどを聴いていても、名前が出てこない時がないほど、良くも悪くも存在自体が物議をかもす人物だ。
シラブルの捉え方の違いが聴き取りを妨げる事実を知るべし
最近のアメリカの報道関係では "Crazy or Genius?"、つまり「狂人か天才か?」 という問いかけがちょっと流行っていた。問われたゲストの答えは大抵 "Both!"、「そのどちらも」 だ。
それはともかく、本題は英語の発音の話である。
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「英語喉メソッド」で提唱され、このブログでも度々言及している、英語と日本語英語のシラブル(音節)の捉え方の違いが、日本人の英語を話す力お足を引っ張っている件だ。
くだんの「ドナルド・トランプ」を、一体何音節で読むべきだろう?
一般的な日本人的(カタカナ英語的)解釈でのシラブル分けをすると・・・
ド/ナ/ル/ド/ト/ラン/プ になるだろう。7シラブルだ。
では英語ネイティブはどうか・・・
don/nald/trump そう、たったの3シラブルだ。前者の半分以下だ。
無理やりカタカナ表現すると「ダヌルドゥ/トゥランプ」だ。赤字の部分に母音を含むので、ダナルドゥのドゥやトゥランプのトゥとプの部分は、そのように聞こえても子音のみである。
シラブルの核となる母音は donald の O,A そしてtrump の U だけだ。
nald の部分の A は、日本語にない音だが無理やりカタカナで表現すると、「ア」ではなく「ウ」に近い喉の根元を軋ませるような音だ。
trump も TR と MP でシラブルの核である U を挟み込んでいる。発音は先のnaldのAと同じく「ウ」に近い喉の根元を軋ませるような音である。筆者が「深堀り母音」と勝手に読んでいるもので、参考に下記コラムで掘り下げている。
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ともあれ、DONALD TRUMPを倍以上のシラブルで認識しようとしているということだ。だからついていけない。
こういう言葉はたくさんある。spring もそうだ。
SP と NG で I を挟み込んで入る。
基本的に英語の場合、母音の両サイドを子音で囲まれるのだ。
その 子音+母音+子音 の3つの音で1つのシラブルを形成するので、これを「スリービート」と英語喉では名付けている。
もうひとつだけ例を挙げておこう。
アーティストのBruce Springsteenの名前を音節で区切って言ってみると、日本人的には・・・
ブ/ルー/ス/ス/プ/リン/グ/ス/ティーン という9シラブルになる。
ネイティブ英語なら
Bruce/Spring/steen
ブルース・スプリングスティーンをたった3シラブルで発音するのだ。
日本人は3倍ものシラブル数で発音し、また聴いているのだ。だから英語がせわしないと感じるのだ。シラブルの捉え方が正しければ、普通にゆっくり喋っていることがわかるはずだ。
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ちなみに日本語は子音+母音が基本系だからツービートだ。
だからネイティブには日本語は、タカタカタカタカという風に聞こえるのだ。日本語的な発音(口発音)の英語も同様である。
英語はもっと丸みがあり、柔らかさを孕んだ感じの音で「ボォンボォン」という風に響く。母音むき出しと母音を包むのとで、サウンドにも大きい違いがあるということだ。
また、そもそも英語が喉発音なので、響き方は根本的に違う。
「喉発音」と「スリービート」が英語喉の2大要素だ。そしてその2つが相互に、密接に関係している。
日本人がネイティブの本気の英語を聴き取るのに苦労する理由の1つは、スリービートとツービートの違いと言ってよいだろう。
2シラブルの Donald Trump を 7シラブルで聴き取ろうとするからせわしなく、速過ぎると感じるのだ。何のことはない、3倍以上のシラブル数で聴こうとするからおかしくなるのだ。
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同様に話す時もたくさんのシラブルで喋ってしまい、ネイティブは困惑してしまうのだ。しかもツービートなので、けたたましく感じられてしまう訳だ。
スリービートに関しては、下記を参照されたい。
ウィル・スミスのHITCHはネイティブ太鼓判の英語上達ツールだった - 或る物書きの英語喉と小説まみれのジャズな日々
日本人の英語の傾向として、不要な母音を子音に付けてしまうのである。TRUMPのTや最後のPのように、子音のみで完結しないといけないのに、To や Pu のようになってToRUMPuみたいに発音してしまい、シラブルが増えてしまうのだ。
子音が子音で完結する場合にそれをやると、シラブルが増えてしまう。シラブル構造が崩れたら、もうネイティブにとって、自分たちの言語や文化を理解していないという烙印を押されてしまう。
その逆に、喉発音でスリービートで喋りかけると、おおむねネオティブは瞬時に心を開いてくれるのだ。たった一言でも、それが起こる。
※英語喉メソッドについて
ネイティブの実際の発音方法と、そこで発生するさまざまな音声現象に関しては、日本で唯一の根本的で普遍的なスタディガイド「CD付 英語喉 50のメソッド」(上川一秋&ジーナ・ジョージ著)を参照して欲しい。
副読本「機関銃英語が聴き取れる!-リスニングの鍵はシラブルとビート」は3ビートに特化してビギナーにわかりやすいよう書かれていて、一読するだけでも聴き取りの向上を体験できる。
英語喉著者上川氏は、アメリカ生活を通して得たネイティブ英語の話し方を、英語学習史上初めて解説した、型破りなKindle書籍が下記の二冊だ。
冠詞や定冠詞の、学校では習えないネイティブの認識方法や、英語の発話の仕方に踏み込んで書かれていて、画期的という表現すら陳腐に感じる凄い本だ。
第3の副読本として、物語を楽しみながら「英語喉」が理解できる筆者MASAのKindle版英語喉小説「喉の旅 上: 英語喉メソッド誕生秘話 (或る物書きのジャズな文庫) 」も参考になるだろう。
尚、「kindle unlimited」メンバーの諸兄は、上川氏の英語の勘1,2や筆者MASAの作品は「読み放題」で読んで頂ける。
初回30日間は無料体験ができる。
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