或る物書きの英語喉と小説まみれのジャズな日々

  英語喉とジャズと小説をこよなく愛し、映画・アニメ・漫画・R&B・70年代ロック・Suchmosなどに眼がない或る物書きが綴る

ウィル・スミスのHITCHはネイティブ太鼓判の英語上達ツールだった

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あるネイティブ友人が以前、「HITCH」という映画をとりわけ英語を学んでいる日本人に強力に薦めまくっていたことがあった。2005年のアメリカ映画「HITCH」(邦題:最後の恋のはじめ方)はウィル・スミスが主演のラブコメディだ。

 

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ウィルの英語に顕著な「シラブルのスリービート」とは?

 

彼曰く、「内容は洒落ていて、しかもアメリカ人が日常に使う言葉や言い回しがふんだんに盛り込まれている上に、俳優たちの語り口がほとんど日常会話の感じなので勉強になるぞ」ということだった。

 

筆者自身はラブコメディ系はあまり興味がなかったので、そういうことでもなければ一生観ないであろうこの映画を、当時レンタルDVDで字幕無しで観てみたのだが、結構面白かった。テンポもいいので飽きないし、確かに日常会話だらけだ。

 

内容はウィル・スミス演じるところの、モテない男をモテる男にする「デート・ドクター」であるヒッチが彼らを指導する様子と、エヴァ・メンデス演じるゴシップ記者サラへのヒッチ自身のガチな恋が同時進行で描かれるというストーリーだ。

 

モテない男の中ではケヴィン・ジェームスが演じるアルバートが面白過ぎた。

 

印象に残るシーン・・・というかセリフがある。鼻っ柱が強く、男嫌いだが魅力的なサラが次第にヒッチに魅かれていき、出勤直前にファーストキスをした後に、初めて見せるせつない顔で、早口で呟く。英語喉に出会う前なら「ガラゴラ」としか聞こえなかっただろう。

 

 I've got to go to work.......

 

こう言って泣きそうになるサラがとてもいい。他にも洒落たシーンや洒落た会話が詰まったこの映画、たしかにネイティブ友人のいう通り、英語学習者には格好の教材になると思う。

 

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ウィル・スミスもエヴァ・メンデスも、芝居っぽくないかなりリアルな喋り方だ。そしてシラブルと喉の深い音がよく聞こえる。

 

ウィル・スミスの喋り方に関しては多くのネイティブ友人が言っていたことだが、現代アメリカ英語らしいリズムを持っているということだ。

 

それは「スリービート」と言って「喉発音」とともに、「英語喉」別名「ネイティブメソッド」の2大要素の片方である。

 

英語喉はネイティブの発音法そのものであり、特徴は口先ではなく喉で響かせことと、音節(シラブル)がスリービートなのだ。

 

シンプルに言うと、英語のシラブル(音節)が基本的に「子音+母音+子音」の3つの音(3ビート)からなるということである。

 

日本語は「子音+母音」のツービートが基本だが、ネイティブが聞くと「タカタカタカ」という風に聞こえるのだ。日本人の英語が一般的にこのツービートで話されることが、日本人の英語がネイティブに伝わりにくい原因のひとつだ。

 

ネイティブ英語は、シラブルの中心である母音を2つの子音が挟んでいて、ボォンボォンとシラブルがまろやかな感じだ。

 

確実に言えることは、スリービートを理解すると、英語が聴き取りやすくなるうえに、発話するときのリズムがわかってくるのだ。

 

日本人の英語がネイティブに伝わりにくい原因のもうひとつが、「口発音」と「喉発音」響きの違いにあることは言うまでもない。

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そして、喉発音とスリービートは表裏一体の関係にあり、喉発音だと自然にスリービートになる。ネイティブはそれを聞いて、自分たちの文化を理解する者として認めてくれるから、心も開き始める傾向がはっきりとある。

 

ツービートで喋ると、残念ながらそうはならない。

 

英語喉メソッドの内容についてはCD付 英語喉 50のメソッドにすべて書かれてある。

実に英語の音声現象「すべて」が書かれてあるのは驚くべきことだ。ネイティブが発話する際に起こる音声現象が、細大漏らさず説明し尽くされているので、英語喉実践者が迷ったときに立ち返る原点の書だ。

 

副読本の位置付けで、スリービートに特化してシンプルにまとめてある機関銃英語が聴き取れる!-リスニングの鍵はシラブルとビートは非常にとっつきやすい。

しかし侮れないのは、この本だけで聴き取りが向上する体験者が多数存在することだ。

 

喉発音の体得までかかる時間には個人差があるが、スリービート理論は素直な姿勢で臨めば、ほぼすぐに理解できる。分厚い「50のメソッド」に気後れする人には、先に「機関銃英語」から入るのも悪くないだろう。

 

    

 

さらに、第三の副読本、筆者のKindle版英語喉小説「喉の旅 上: 英語喉メソッド誕生秘話 (或る物書きのジャズな文庫)  」では、ストーリーに沿って「喉発音」「スリービート」に関して、わかりやすく掘り下げて描かれている。おかげさまでアマゾンレビューには、読まれた方の好評価レビューが続々と書かれている。

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さて、英語ネイティブの、特に黒人の発話に顕著に感じるが、中抜き三連符のリズムに乗っかった、スリービートがよくわかる喋り方として、非常にお手本になると思う。

  

映画のシーンを切り取った程良い長さのYouTubeがいくつかある。以前に聴き取りの練習としてディクテーションしたもの、つまり聴き取って書き下した文を添えて紹介しておこう。 

 

まず最初に、ヒッチが初めてサラに声を掛ける、なかなかの名場面だ。ウザいナンパ師を追い払い、巧みにサラの名前を聞き出すくだりも含む面白いシーンである。

 

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このクリップの書き下し文は以下の通り。

 

she's some kind of newspaper columnist, comes in here once in a while. great tipper.

what's her drink?

usually beer. tonight, grey goose martini, dirty.

hi. i noticed your glass was getting low, so i took the liberty of bringing you another apple martini.

thank you.

and i couldn't help but notice you look a lot like my next girlfriend.

what's your name?

they call me Chip.

oh, you can't get them to stop?

hahahahaha, that was funny.

listen Chip. i understand the courage it takes to walk across a room and try to generate a relationship out of thin air. so don't take the following personally.

you have fantastic eyes.

thanks. try to listen. this is no reflection on you. i'm just not interested. but thank you for the compliment of coming over.

you're welcome.

so do you like cuban food?

Chip, seriously, that was not code for, i wish you'd try harder.

are you always so shut down and afraid that the right man might make you feel...

feel like a natural woman? sorry I'm late, honey. i couldn't get a cab. how was the meeting?

woowell, there was a beginning, a middle, and an end. nice to meet you, Chip.

you, too.

now, on the one hand, it is very difficult for a man to even speak to someone who looks like you. but on the other hand, should that be your problem?

so life's kind of hard all around.

not, not if you pay attention. i mean, you're sending all the right signals. no earrings, heels under two inches, your hair is pulled back. you're wearing reading glasses with no book, drinking a grey goose martini,which means you had a hell of a week and a beer just wouldn't do it. and if that wasn't clear enough. there's always the fuck off that you have stamped on your forehead. because who'd believe there's a man out there that can sit by a woman he doesn't know, and genuinely be interested in who she is, what she does, without his own agenda?

i wouldn't even know what that would look like. so what would a guy like that say?

he'd say, my name is Alex Hitchens and i'm a consultant. but she wouldn't be interested in that, because she'd be counting the seconds until he left.

thinking he was like every other guy.

which life experience has taught her is avirtual certainty. but then he'd ask her name and what she did for a living. and she might blow him off. or she might say...

i'm Sara Melas. i run the gossip column at the standard. and then he'd ask all these penetrating questions about her, because he was sincerely, if atypically, interested.

no.

no?

he'd be interested. but he'd see that there was no way. he could possibly make her realize that he was for real.

well, he could be funny and charming and refreshingly original.

wouldn't help.

don't you hate it when that happens?

not really. they'd both probably go on tolead the lives they were headed toward. my guess is they'd do just fine. it's a pleasure to have met you, Sara Melas.

grey goose martini from the gentleman who just left.

is that for me? 

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本来ミュージシャンである彼のリズム感の良さも関係してるのだろう。そして、英語喉と全く矛盾しない、ただしこれも個人的見解を続けて述べることにする。

 

音楽をやる人はわかると思うが、まず中抜き三連符を簡単に説明しよう。

 

そもそも三連(符)とは一拍=「タン」を「タタタ」という風に三分割したリズム取りである。中抜き三連とは真ん中のタを無音にしたもので「タッタ」あるいは「タンタ」のように取る。

 

彼らの歩き方自体が中抜き三連符だ。

ジャズピアニスト山下洋輔などの大御所ジャズプレイヤー達の考察からも、黒人音楽のリズムのルーツは黒人の跳ね気味の歩き方にあるとされている。

 

踵から先に着き、すぐにつま先を蹴って次に踵を着くまでに間があり、それが三連符の中の音になるということだ。それが様々な黒人音楽の大元のリズムだと。

 

いわゆる黒人ブルースの基本リズムだ。また大陸の開拓者たち白人の視点から見れば、これは乗馬のリズムという説が唱えられている。

 

開拓時代の移動手段である乗馬のリズムも、関係しているという説もある。

 

要するに当時支配する側の白人も、支配される側の黒人も、ともに三連符系のリズムが身体に刻まれ、アメリカ開拓史とシンクロして白人のDNAに脈打っているのかも知れない。

 

そして人種の違いも飲み込んで、これらが現代アメリカ英語のリズム形成に何らかの影響を与えているのであないだろうか。

 

だからイギリス英語よりもアメリカ英語の方がリズムが弾んでいるというか、跳ねている。ボォンボォンとスリービートが顕著である。基調としてこのリズムが底流に脈打っている感じだ。

※スリービート理解の参考に

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このクリップでも出てくる "you're sending all the right signals" (ディクテーションの青字部分)はとても参考になる。まずシラブル分割はこうだ。

 

you're/send/ding/nall/ther/right/signals

 

ちなみに赤字のg/nの部分がなぜg/gではないのかを説明しよう。

sending all は多くの場合 send/ding/gall とはならず、ng の後に母音が続くとg音がn音に負けて ding/nall となる。あまりG音が聞こえず「センディノール」みたいに聴こえる。

 

ただしG音を発しないのとは違う。dingのnで舌が上あごの裏に触れ、続いてgを響かせるが、その直後にallのA音に向かって舌が離れる時に、G音以上にN音が強く響くし、発話者自身もN音を発した感じが残るのだ。

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また、最初のyou'reはシンコペーション(弱起)であり中抜き三連符=タンタの最後のタに当たる。

 

つまり you're sending all the right signals を

 (ンン)タ/タンタ/タンタ/タァン/タンタ/タンタ のリズムに乗って読むということだ。

 

書くとややこしいけれど、音声を聞いてリズムを掴んだら意味が分かると思う。同間隔の1拍でも1シラブルの時もあれば2シラブル、場合によってはそれ以上もあり得るということだ。

 

ここは・・・ちょっと表現がややこしい部分だ。つまり、シラブル自体が1拍という捉えかたは分かり易いので、例えば「springは1拍で読む」のように英語喉でも表現する。

 

しかし、ここでいう三連符のコンセプトを説明する場合、混乱を避けるためここでは1シラブルが「1拍」ではなく「1音符」としよう。そして all the right なら3シラブル=3つの音符だ。3つの音符を2拍で発話するのだ。

 

2拍= タンタ/タァン =  all/ther + right  のリズムで読むということだ。

 

ナンパ師を追い払うために、彼の言葉にかぶせて言いながら割って入る時の、

feel like a natural woman(紫字部分)も分かり易い。

 

シラブルは feel/like/kan/nat/tural/wom/man 7音節を4拍で言っている。

feel/like a/natural/woman = タンタ/タンタ/タンタ/タンタ

感覚的にはタァンタタァンタタァンタタァンタのようにまるでアーバンブルースのようなスィンギーなリズムで言っている。

 

ま、きりがないぐらい他にも参考になる発話が散りばめられているが、ともかくウィル・スイスの英語をじっくり聴けば、その底流のリズム=中抜き三連が随所に感じられる。 

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もうひとつのクリップはこれだ。

 

 

what'd you say?

do you want me to go get them and bring them over here?

no, no no no no, don't, don't, don't do that.

oh, are you saying you don't want to talk to them because you can't go home with them?

hey, what'd you want to me? i'm just trying to keep my head above water.

hey, have you ever heard of this guy called the date doctor?

urban myth.

really?

absolutely.

i was kind of hoping he also helped women.

casey, you're not sick. you're single. you just have to relax and enjoy the ride.

i haven't been ridden in months.

on that happy note, I'm going to go see if anybody interesting came in tonight.

you mean, besides me.

right.

bye.

i'm going to go get those girls, bring them over here, and we'll have a conversation like human beings. then you're going to home, and i'm going to take them back to my apartment.

well, that sounds like fun for me. but you know, might want to get in line, pal.

hey, girl.

hey, how are you?

hey, baby, can i get a couple coronas at the pool table, please? thanks.

excuse me. excuse me...

lime wedges in the bottle's fine.

hey, asshole, i don't work here.

wow, uh, i'm sorry. you, uh, the paramedics will have to come to get my foot out of my mouth, sweetheart.

just don't let it happen again.

i knew you didn't work here.

you did?

how else was I supposed to get you away from all those guys?

why would you want to do that?

some guys naturally develop a comfort with the opposite sex.

they like women, women like them.

everything flows naturally.

 

ネイティブの発話に込められている、ひとつひとつのシラブルのスリービートが感じられただろうか。それを感じるだけでも、聴き取りは必ず向上する。

 

また、日本人でも英語喉をやって喉発音を習得した上で、シラブルのスリービートをこの三連符のリズムに乗って、基調の「1拍」内に、自在に自然な感じで「1~2シラブル」を込めて喋れるようになれば、ネイティブにビンビン通じる発話になることもまた、間違いない。